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戦争と皆殺しの原爆

この日記にしては、まじめで重いテーマで今日は行ってみよう。

それというのも、昨日、「広島 昭和20年8月6日」というタイトルのDVDを見たからだ。

松たか子主演のドラマなのだが、出演者の配役がとてもよく、見ていて違和感がない。

以前、ドラマ版「火垂るの墓」を見たときは、子役の演技がとても上手で泣かせる反面、松島菜々子の演技と安っぽいCGが鼻に付き、残念に思った記憶がある。

 

さて、この「広島 昭和20年8月6日」だが、修学旅行に広島に来た学生に、西田敏行扮する戦争体験者が思い出話を語るという場面でスタートした。

 

西田敏行は、4人姉弟の末っ子として、姉3人(松たか子、加藤あい、長沢まさみ)と一緒に老舗旅館で育つ。一人男の西田敏行は、少年飛行隊に借り出され、8月6日を広島で過ごす事無く難を逃れるが、3姉妹はそれぞれの生活の中、原爆投下の餌食となり、夢も半ばに死んでしまう。

      詳しいストーリーはコチラをどうぞ → 「広島 昭和20年8月6日」

 

このドラマの中では、かつて見た「はだしのゲン」などで見た、「無数の死体」や「全身焼け爛れた人」などの描写はほとんど無い。それだけに、すべてが一瞬のうちに「無」になってしまった悲壮さが、ヒシヒシと伝わってくる。西田敏行が語りを繰り広げている場所、現代の「原爆ドーム」前の広場は、緑が豊かに生い茂り、とても穏やかな風景だ。一瞬のうちに家族が骨も残らないほど、全てが焼き尽くされた60年前からは想像も出来ないほど穏やかだ。今の平和は、多くの犠牲者の上に成り立っているものだと、つくづく考えさせられる。

そしてドラマも終了し、テロップが流れると、当時の映像が映し出された。

黒く焦げた背中で横たわる人、放射能の影響で髪が抜け落ちている子供、うつろな目で天を見上げる人、顔も分からないほどの大やけどを負っている人、放置された死体・・・・。

 

どの映像も、本当にショックを受けてしまった。

 

作り物ではない実際の映像は、どんな言葉よりも訴えるものがあった。

この映像に映っている人は、おそらく後何年も生きられなかった人たちだろう。泣き叫ぶでもなく、苦痛にゆがむ顔をしているわけでもなく、ただ淡々と目を見開き、絶望の中でただ生きているだけなのだ。

 

たぶん、こんな映像を残したのは、米兵なのだろう。同じ人間として、どういう思いで撮影したのだろうか。また、撮られている側はどういう思いなのだろう。そこには懺悔や後悔や恨みや悲しみといった感情はあったのだろうか。

 

私の祖父も軍人だった。私が生まれるより前に亡くなったので、写真でしか見たことは無いが、軍の中では偉い方だったらしい。

私がまだ小さい頃には、家には戦時中のサーベルがあった。父の話では、このサーベルは4人の中国人の血を吸っているという。祖父が軍隊に入隊して初めてサーベルを腰に差した時に、軍の先輩が捕虜の中国人で試し切りをしたのだという。

なんでも、新しいサーベルは血を求めるので、未使用のままだと、腰に差している本人が血を流す事になるのだという言い伝えがあるのだそうだ。たかだかそんな迷信の為に切り殺されてしまった中国人の方に、どうやって謝ったらいいのだろうか。

先輩のした事とは言え、バチが当たったのか祖父は55歳でガンを患って死んでしまったが、当時はこんな残酷で信じられないような事がまかりとおっていたのである。

日本は、最終的には何十万人という犠牲者をはらって戦争に負け、そして戦争は終結した。その影には、かなり非道な事をしていた日本人もいた事を忘れてはならない。

従軍慰安婦の問題にしても、話の真髄は分からないが、あながち嘘ではないようにも思う。それだけ酷い事も、当時の日本人にはありえた事だと私は思う。

そして、60年経って戦争体験者もほとんどいなくなったというのに、遺恨だけが残って、やれ靖国問題だ、やれ従軍慰安婦だと、いまだに確執が残ってしまっている。こんな問答をあと何年やっても、誰も幸せにはなれないのは皆分かっているはずなのに・・・・。

ただひとつ言える事は、こんな過ちを、もう二度と犯してはならないのだ。

 

戦争で幸せになった人なんかいないのだ。アメリカのブッシュ大統領はそれが分かっていない。勝ち続けた国だからこそ、いつまでもお祭り気分で、戦争がどれだけ悲惨な事なのか見えないのだろう。

その点から言えば、日本は敗北を経験しているぶん、平和がどれだけ尊いのか気付く事ができたのだ。

これが、例えば日本が戦争に勝っていたら、今の平和は無かっただろう。どんどん欲が出て、今でも他国を攻め続け殺し続け、自分達を神と勘違いしているに違いない。現在A級戦犯と呼ばれている人たちも、英雄と呼ばれていたのだろう。

 

人を殺して、それが「善」になる事など、ぜったいにありえない。

私はまったくの無宗教だが、宗教に熱心な人が戦争を好む事が分からない。宗派どうしの争いなどは、余計に意味が分からない。

その宗派の祀り上げられている神様が、人殺しを「善」と説くワケがないと思うのだ。

もし、人殺しを推進する宗教があったとしたら、それは宗教の神様ではなく、テロリストか暴力団の組長と同じ事だと思う今日この頃なのだ。

 

私は母です。命を生み出すことは、本当に尊い事だと身をもって知りました。戦争が好きな男性にも、出産を経験してもらいたいものです。

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